「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」

理工系人材育成に関する産学官行動計画に盛り込むべきと考える取組について

(委員意見整理ペーパー)

 

産業界のニーズと高等教育のマッチング方策、専門教育の充実

(1)産業界のニーズの実態に係る調査に基づく需給のマッチング

○産業界のニーズの実態に係る調査の実施、継続的な人材需給の状況に係るフォローアップの実施

アクションプラン

<短期的対応(2、3年以内)>

【政府】

● 産業界のニーズの実態に係る調査(産業界の人材ニーズ実態調査、就職状況調査等)(以下「産業界ニーズ調査」という。)を実施する。具体的には、円卓会議の下に「人材需給ワーキンググループ(仮称)」(以下「ワーキンググループ」という。)を設置し、当該調査結果の分析及び産業界の将来ニーズに係る議論を行うとともに、当該分析に基づき、理工系人材の質的充実・量的確保に向けた対応策を検討する。年度末を目処に、円卓会議に結果を報告する。

 

【教育機関】

● 理工系の大学関係者による連絡組織(以下「連絡組織」という。)を大学関係団体等の協力によって設立し、産業界のニーズの実態や将来の産業のあり方も念頭においた中長期の人材需給予測について、産業界と定期的に意見交換する機会を設ける。

● 産業界ニーズ調査を参考に、大学等は学生・生徒及び保護者に対し、どのような分野が産業界の人材ニーズが高いのか情報提供する。

 

【産業界】

● 産業界における人材ニーズ等の実態について情報共有するため、連絡組織に積極的に参加する。

● 中長期的視点も含め企業が必要とする人材のニーズの具体化に取り組む(業界・企業として、学生が大学等で修得することが必要と考える能力・専門知識の明示、経営トップによる自社ビジネスの将来像の提示等)とともに、大学等及び学生に対し情報発信を強化する。

 

<中長期的対応>

● 連絡組織において、産業界のニーズの実態や人材需給の動向を踏まえ、関係分野を有する大学が協議し、教育改善や新たな教育プログラムの創設等の対応に協力して取り組むような機能を担う。

● ワーキンググループ等の議論を通じて、我が国が目指すべき産業構造を見据え、中長期的な視点から産学官による人材育成の方向性を合わせる。

 

○成長分野を支える情報技術分野(セキュリティ、AI・ロボティクス、IoT、ビッ

グデータ分野等)等に係る産学協働した人材育成の取組の強化

 

○産業界が人材を必要とする分野に係る寄附講座の提供や奨学金の給付の検討

アクションプラン

<短期的対応(2、3年以内)>

【産業界】

● 産業界において人材が不足していると考える分野、成長を支える情報技術分野や中長期的に成長が期待される新たな分野等の人材育成について、大学等における実践的な教育への参画を促進するとともに、処遇の見直しなどに戦略的に取り組む。

● 産業界において人材を必要としているにもかかわらず教育機会が失われつつある分野について、大学等に対する寄附講座の提供、その分野に進学する学生に対する奨学金の給付やその分野を修了して入社した学生への奨学金の返済支援を含め、処遇の見直しに取り組む。

● 修士課程学生からポストドクター等の若手人材が、各々の専門性を有しながら、産業界が求めるスキルを獲得するための短期研修等のカリキュラムの開発・提供等を行う。

 

【教育機関】

● 成長を支える情報技術分野や中長期的に成長が期待される新たな分野等の人材育成について、産業界ニーズ調査結果や政府の動向も勘案しつつ、各自の特色を踏まえた対応を検討・実行する。

● 様々な産業分野や学問分野において数理・情報能力が必要となっていることから、数理的思考力の修得を促進するとともに、医療・農業・経営・公共政策等の他分野と数理・情報を融合した教育研究を行うことにより、産業高度化や経営力強化等の社会的課題を解決できる能力の修得を促進する。また、数理・情報分野の専門的な知識や最先端の技術の修得に当たっては、実践的な教育を行う産学連携ネットワークの構築や産学協働による短期集中型プログラム(集中開講の履修証明プログラムなど)等の提供を促進する。

● 大学・大学院等への進学意欲を持つ優秀な学生等が経済的な不安を抱えることなく見通しをもって進学できるようにするため、奨学金等の経済的な支援の充実に取り組む。

● 高等専門学校において、早期からの専門教育が効果的とされる情報セキュリティの教育プログラムの開発・実習環境の整備や、医療・農業等他分野における実際の課題を踏まえ、AI・ロボティクス等を社会に実装する教育の展開など、今後の情報技術分野における実践的技術者を養成する教育の充実に取り組む。

 

【政府】

● 産業界ニーズ調査結果を踏まえ、中長期的に成長が期待される新たな分野等について、実践的な教育を推進する政策を検討・実行する。まずは、喫緊の課題となっている情報活用能力を備えた人材育成・確保について、初等中等教育・高等教育段階から研究者レベルまで包括的に取り組む。特に高等教育段階については、データ解析やプログラミング等の基本的知識を持ち、数理的思考力やビッグデータ・AI等の基盤技術を新しい課題の発見・解決に活用できる人材の育成を促進するため、大学等における数理・情報教育を強化する。

● 意欲と能力のある学生等が、経済的理由により進学等を断念することがないよう、安心して学ぶことができる環境を整備するため、大学等奨学金事業等の充実を図る。

● 修士課程学生からポストドクター等の若手人材が、各々の専門性を有しながら、産業界が求めるスキルを獲得する機会を、キャリア開発支援も含めて提供するための取組を支援する。

 

(2)産業界が求める理工系人材のスキルの見える化、採用活動における当該スキルの有無の評価

○産業界が求める理工系人材のスキルの見える化、産業界の採用活動における当該スキルの有無の評価の強化

アクションプラン

<短期的対応(2、3年以内)>

【産業界】

● 大学等や学生に対し、理工系人材に求めるスキルを具体的に提示する。

● 採用活動において当該スキルの有無の評価を強化する。なお、スキルの有無の評価にあたっては、履修証明や資格試験等の活用及び学生の希望によりインターンシップの評価を活用することも含め検討する。

 

【教育機関】

● 大学教育には、専門的な知識及び最先端の技術と、その修得した知識・技術を応用して他分野の学問や企業の課題を発見・解決する能力の双方を育成する体系的なカリキュラムが必要であるため、通常の学位プログラムに加え、産学協働による短期集中型プログラム(集中開講の履修証明プログラムなど)等の提供を促進する。

● 産業界等との間で育成すべき人材像を共有し、「卒業認定・学位授与の方針」(ディプロマ・ポリシー)、「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラム・ポリシー)及び「入学者受入れの方針」(アドミッション・ポリシー)を定めるとともに、学生が体系的な学修を進められるよう、科目ナンバリングやカリキュラムマップ等により、カリキュラムの順次性の明確化を図る。

● MOOCのようなICTを活用した教育について、社会的ニーズの高い分野から、実効性の高い教育プログラムを設けることで、学生のスキル習得に役立たせる。

 

【政府】

● 学生が就職を希望する業種毎に、産業界が学生に求めるスキルを簡単に把握することができるシステムを構築する。まずは、理系女性を対象に、当該システム(スキルの見える化システム)の開発を行う*。

*平成28年度「理系女性活躍促進支援事業」(経済産業省)を活用。

 

 

<中長期的対応>

● スキルの見える化システムが、社会インフラとして就職活動に活用されるよう改善を行う。

 

(3)産業界のニーズを踏まえたカリキュラムの提供

○教養教育・専門教育の基礎となる教育の充実、分野横断的な教育プログラムの提供、研究室・専攻・大学の枠を超えた人材・教育交流等の取組による人材育成の推進

 

○実践的な内容・方法による授業の提供、大学等と企業との対話の場の設定等の促進

 

○大学等における社会人の学び直しの促進

 

アクションプラン

<短期的対応(2、3年以内)>

【産業界】

● インターンシップ学生を受け入れ、学生への学習機会の提供に協力する。

● 職員の知識の更新、能力の向上、他企業の職員とのネットワーク構築を図るため、大学等の実践的・専門的プログラムに職員を派遣することや企業における実例を教材として大学に情報提供することを検討する。

● 地域若しくは産業分野の特性を活かした大学等との対話の場を設定し、好事例の発信等を積極的に行う。例えば、大学関係者との意見交換のほか、学生が、大学で学んだ専門的知見を活用して企業が抱える具体的問題の解決策を検討するような事例も考えられる。

 

【教育機関】

● 社会人基礎力の育成を含む教養教育、数学や物理、情報学や統計学などの専門教育の基盤となる分野の基礎教育の充実、文理を超えた分野横断的な教育プログラムの提供、研究室・専攻・大学・機関の枠を超えた人材・教育交流等の推進に向けた対応を検討する。

● 大学関係者と産業界による定期的な意見交換を踏まえ、各大学はカリキュラムの改善などの対応を検討・実施する。

● MOOC等のICTの積極的活用も含め、PBL、企業の実例を用いた演習、実務家の活用などにより教育方法の質的転換を図る。

● 学生の年次や専門分野を勘案し、単位化、中長期、有給などを含め、学生にとって教育効果の高いインターンシップの提供に取り組む。また、各大学において、学生のインターンシップを仲介する人材(キャリア教育支援コーディネーター等)の配置を促進し、地域の産業界との連携の強化を図る。

● 社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的プログラムの充実を検討するとともに、その開講に当たっては、社会人が受講しやすい工夫を設けることとする。また、他大学等との連携・共同による相互の補完も必要であるため、国内大学間での教育コンテンツの互換性や教養科目の標準化に向けた検討を行う。

● 地域若しくは産業分野の特性を活かした産業界との対話の場を設定し、好事例の発信等を積極的に行う。例えば、産業界との意見交換のほか、学生が、大学で学んだ専門的知見を活用して企業が抱える具体的問題の解決策を検討するような事例も考えられる。

● MOOCのようなICTを活用した教育について、社会的ニーズの高い分野から、実効性の高い教育プログラムを設けることで、産業界における再教育等に役立たせる。

 

【政府】

● 理工系学部の専門教育の基礎となる数理・情報教育の標準カリキュラムの整備に取り組む。

● PBLなどのアクティブラーニング等を実施する大学の取組を促進する。

● 各大学等のインターンシップ実施に関するデータを継続的に収集・分析・公表するとともに、インターンシップの好事例や実施の際の留意点等を掲載した「インターンシップガイド(仮称)」を作成することにより、教育効果の高い多様なインターンシップを促進する。

● 地域若しくは産業分野の特性を活かした大学等と企業との対話の場の設定について、好事例の発信等により促進する。

● 社会人や企業等のニーズに応じた大学等の実践的・専門的プログラムを文部科学大臣が認定・奨励する仕組み(「職業実践力育成プログラム」(BP)認定制度)等を一層活用し、大学等における社会人対象プログラムの充実を図るとともに、学び直しによるキャリアアップや生産性向上に係る好事例をシンポジウム等で横展開することにより、社会人や企業等の学び直しに関する理解・関心を高める。 

 

産業界における博士人材の活躍の促進方策

(1)産学連携による博士人材の育成の充実 

1.産学共同研究を通じた人材育成の推進

○教員や博士課程(後期)学生の人件費等を含めた産学共同研究費の拠出の検討、大学における秘密情報の保護ハンドブックの作成

アクションプラン

<短期的対応(2、3年以内)>

【政府】

● 大学から大企業、中小・ベンチャー企業へのクロスアポイントメント制度の活用を更に促進するための方策を検討する。

● 学生が産学共同研究に本格的に参加できるよう、「大学における営業秘密管理指針作成のためのガイドライン」を改廃し、大学が学生と雇用契約を締結する等によって企業等との共同研究で取り扱う秘密情報を適切に管理することを明記した「大学における秘密情報の保護ハンドブック」を作成し、その普及に取り組む。

 

【教育機関】

● 大学は、大学ごと又は大学間で連携して、産学による人材育成(学生を含む若手が主体性をもって産学共同研究に参画し、論文等を発表等)が可能な体制を構築するとともに、企業との個別の共同研究契約の中で、学生を雇用する経費を含めた共同研究費の獲得を促進し、学生に対し、労働時間に見合う給与を支給する。

● 政府や円卓会議による提言等も踏まえ、共同研究、寄付、委託研究、クロスアポイントメント等を各大学の特性や実態に応じて組み合わせることにより、プログラムの設計を行う。

 

【産業界】

● クロスアポイントメント制度を活用し、大学・公的研究機関からの研究者受入れ、企業から大学・公的研究機関への研究者派遣を実施する。

● 本格的に産学共同研究に参加する大学教員、ポスドク及び学生に対し、共同研究費の中に大学が学生を雇用する経費を含めるなどの支援(企業による大学教員、ポスドク及び学生への投資)を行う。

● 企業から大学等への投資を今後10年間で3倍に増やすことを目指す。

● 多くの企業が、優秀な博士人材に門戸を開いている実態を更に社会に発信する。

● 産学共同研究等を通して、個々の博士人材の能力を見極めた上で、博士人材の採用・配置・処遇等の見直しに係る検討を進める。

 

<中長期的対応>

● 企業間、企業・大学間の共同研究を通じた人材交流を促進することにより、従来型の雇用慣行にとらわれることなく、優秀な人材の採用・登用促進を図り、人材の流動性を高めることを目指す。

● 円卓会議は、産業界と大学による産学協働の取組の状況を把握し、更なる促進策を提案して連携を強めていくよう取り組む。また、大学と研究開発法人・大学共同利用機関等との連携促進策も提案する。

 

2.中長期研究インターンシップの普及

○中長期研究インターンシップへの企業及び大学の更なる参加の促進

アクションプラン

<短期的対応(2、3年以内)>

【政府】

● 本格的な産学共同研究を実施する機会の増大を図るという観点から、中長期研究インターンシップの有用性について、産業界及び大学等への普及活動を促進する。

 

【産業界】

● オープンイノベーションのきっかけを見つけるという観点から、中長期研究インターンシップに関する政府、(一社)産学協働イノベーション人材育成協議会をはじめとした関係団体及び大学等の取組に積極的に参加する。

● 中長期研究インターンシップや共同研究への参加の有無を入社時の配置・処遇に反映する。

 

【教育機関】

● 教育効果が高いという観点から、中長期研究インターンシップに関する政府、関係団体の取組に積極的に参加するとともに、意識の高い学生の参加を促す。

 

3.「博士課程教育リーディングプログラム」の促進

○「博士課程教育リーディングプログラム」における産学の協力の促進

アクションプラン

<短期的対応(2、3年以内)>

【産業界】

● 各プログラムへの講師・メンターの派遣・登用、長期インターンシップの受入れなどに引き続き積極的に協力する。

● 個々の学生の能力を見極めた上で、プログラム修了者の採用・配置・処遇の見直しに係る検討を進めていく。

 

【教育機関】

● 産学官連携の下、修士・博士5年一貫の研究科・専攻の枠を超えた教育プログラムの形成に引き続き取り組む。

● 博士課程教育リーディングプログラムのように、産業界との密接な連携の下に研究科・専攻の枠を超えた教育プログラムを進め、一貫制の博士のコースのみならず、修士+博士コース(博士前期・後期制)も含めた充実を図る。

● 多様な産学連携の方法を通じて、企業に進む博士課程修了者の道をさらに広げる工夫の検討を進める。

 

【政府】

● 各プログラムへの支援を引き続き行う。

● 博士課程教育リーディングプログラムの取組や、修了者の活躍状況などを把握し、これらに係る広報に取り組む。

 

<中長期的対応>

【教育機関】

● 支援期間終了後を見据え、プログラムの定着・発展に努める。

 

4.新規分野の開拓における博士人材の活躍促進

○新規分野開拓における博士人材の活躍機会の促進

 

アクションプラン

<短期的対応(2、3年以内)>

【産業界】

● 卓越研究員制度の活用等により、新規分野を開拓するような優秀な若手研究者に対し、安定かつ自立して研究を推進できるポストを用意し、新産業を興すような科学技術イノベーションを実現する若手研究者を育成・確保する環境を整備する。

● 本格的なオープンイノベーションを通じ、ベンチャー企業を新事業の創出における重要なパートナーとして捉え、連携を推進する。

 

【教育機関】

● 卓越研究員制度の活用等により、新規分野を開拓するような優秀な若手研究者に対し、安定かつ自立して研究を推進できるポストを用意し、新産業を興すような科学技術イノベーションを実現する若手研究者を育成・確保する環境を整備する。

● 特定の分野に拘泥することなく、分野横断的又は他の分野で活躍できる能力の育成に取り組む。

● 起業家マインドを醸成するアントレプレナー教育や、起業家を目指す者や支援者の集う場等のネットワーク提供と併せて、民間企業等と協働した課題解決や新事業の構想・実施、好事例の発信に取り組む。

 

【政府】

● 新規分野を開拓するような優秀な若手研究者が、安定かつ自立して研究を推進できる環境を実現し、全国の産学官の研究機関をフィールドとして活躍し得る若手研究者の新たなキャリアパスを開拓するため、卓越研究員制度による若手研究者の挑戦の機会を更に拡充する。

● アントレプレナー教育の全国ネットワークの形成を進めるとともに、海外のベンチャー企業が集積する地域に挑戦意欲のある若手を送り込むなど、多様な文化に触れる場を増やし、グローバルに活躍する人材の育成を支援する。

 

<中長期的対応>

● 多様な人材の育成を通じ、起業家マインドを持つ人材の裾野を拡大し、起業やベンチャー企業に対する社会的受容性や地位を向上させる。

 

(2)研究開発プロジェクトを通じた人材の育成

○研究開発プロジェクトを通じた人材育成の実施

アクションプラン

<短期的対応(2、3年以内)>

【産業界】

● SIP、ImPACTに限らず、産業界は、学生がプロジェクトマネジメントやグローバル対応力を身に付ける機会に参加するための協力を行う。

 

【教育機関】

● SIPやImPACT等の大型研究プロジェクトにおいては、人材育成の視点を盛り込み、修士・博士課程の学生やポスドクのRA(リサーチ・アシスタント)としての雇用も含め、積極的な参加を促す。大学院生をRAとして雇用する際には、給与水準を労働時間に見合うよう設定する。

 

【政府】

● 理化学研究所AIPセンターにおいて、世界レベルの研究者を糾合し、研究開発と高度なデータサイエンス等の人材育成を一体的に行うとともに、卓越研究員制度や競争的資金の活用を含む若手の研究人材に対する支援の強化を図る。併せて、優秀な博士課程の学生、ポストドクターなど研究者の更なる研鑽・活躍の場となる数理・情報科学分野の活用にも配慮した国際研究拠点の形成を推進し、データ利活用分野での専門人材の育成を加速する。

 

<中長期的対応>

● 第5期科学技術基本計画のとおり、産学官・関係府省が総力を挙げて研究開発及び社会実装を進めるSIPを強力に推進するとともに、ImPACTの更なる発展・展開を図る。 

 

理工系人材の裾野拡大、初等中等教育の充実

(1)実験や科学的な体験等を通じた理工系科目に対する学習意欲・関心の向上

○大学や企業等による理科実験教室、出前授業や教材開発(実験教材、DVD・オンライン教材等)等の科学技術の魅力を発信する取組の拡大

 

○大学や企業等が実施した小学生・中学生・高校生等を対象とする理科実験教室や出前授業等に係るノウハウやコンテンツ等の情報を共有する仕組みの検討

アクションプラン

<短期的対応(2、3年以内)>

【産業界】

● 産業界において、大学や教育委員会等とも連携し、理科実験教室、出前授業や教材開発(実験教材、DVD・オンライン教材等)等の取組を一層推進するとともに、その実施結果をホームページで広報するなどにより、科学技術の魅力を発信する取組の拡大を図るとともに、大学等で行われる、特に意欲や突出した能力を有する小学生、中学生、高校生等の能力を更に伸ばすための取組に対し、必要なリソースの提供を含めて積極的に参画する。

 

【教育機関】

● 大学等において、産業界や教育委員会等とも連携し、理科・数学に対する興味・関心を高めるような理科実験教室、出前授業、教材開発(実験教材、DVD・オンライン教材等)の取組を一層推進するとともに、その実施結果や理科・算数等の理系科目で学ぶ内容が実社会でどのように役立っているのかをホームページで広報するなどにより、科学技術の魅力を発信する取組を拡大する。また、特に意欲や突出した能力を有する小学生、中学生、高校生等に対し、その能力を更に伸ばすための取組を実施するとともに、特に、工学教育について、中高生に対する教育プログラムを開発し、大学・企業などの研究者が指導に当たる。

● 初等中等教育の理系科目を担当する教員を対象とした学び直し講座の開講を検討する。その際、産業界と連携して、理科・算数等の理系科目で学ぶ内容が実社会で役立っている現場を体験する機会の提供も視野に入れる。

● 理科教育においては、生徒が観察・実験などで実物に触れて探究的な学習を実施することが大切であることから、一人一人が実験装置を操作できるよう、理科教育施設・設備充実等の環境整備を図る。

● 中学校や高校における進学の際の志望校選択、あるいは学部・学科の選択の段階においては、生徒の興味・関心や産業界の現状、将来の就職に配慮した進路指導のあり方について検討を進める。その際、中学校段階での進路指導においては、工業科・情報科等の高校を経て理工系人材としてのキャリアを選択することなども視野に入れた指導のあり方の検討も進める。

 

【政府】

● 大学や企業等が個々に取り組んでいる小学生・中学生・高校生等を対象にした理科実験教室や出前授業等の活動のノウハウの蓄積、コンテンツの共有や各取組内容を情報共有し、各大学や企業、教育委員会、地域が連携する仕組みを検討する。

● 中学、高校等において実施される科学部活動等の取組や、そこに在籍する教員の指導力向上のための取組、高校の科学教育を支援するスーパーサイエンスハイスクール、更に大学が科学に関心を有する高校生を教えるグローバルサイエンスキャンパス等の既存の取組に加え、特に意欲や突出した能力を有する小学生、中学生、高校生等の能力を更に伸ばすための取組を、産業界、大学、教育委員会等と連携して全国各地で推進する。

● 教育機関においてボランティア人材を有効に活用できるよう、リタイアした技術者等を登録する学校支援のためのボランティア組織の設置を促進する。

● 初等中等教育段階における観察・実験の充実を図るために、理科教育振興法に基づいた、理科教育設備の整備や観察・実験アシスタントの配置支援など、理数教育充実のための人的・物的の両面にわたる総合的な支援を引き続き推進する。

 

<中長期的対応>

● 生徒自身が体験することで学習内容の有用性を理解するために、観察・実験を重視した教育内容の充実を図る。

 

(2)キャリアパスの見える化等を通じた職業・進路への興味・関心の喚起

○キャリアパスの見える化等への企業及び大学等の更なる参加の促進

○子供の親を対象とした取組の促進

○理工系分野での女性の活躍の促進

アクションプラン

<短期的対応(2、3年以内)>

【産業界】

● 産業界は、女子の理工系分野への進路選択を含め、小学校、中学校、高等学校における将来の職業と結び付いた学問分野を選択する意識を持たせる取組(企業見学会、イベント開催、業界の展示会や製品・サービス等の教材提供等)に積極的に参画するとともに、社員に対し、これらの取組への親子参加を奨励(イベント等の推奨、参加費用の一部補助、休暇の付与等)する。

 

【教育機関】

● 大学等は、女子の理工系分野への進路選択を含め、小学校、中学校、高等学校等における将来の職業と結び付いた学問分野を選択する意識を持たせる取組に積極的に参画する。

● ライフイベントとの両立支援のための取組を強化する。また理工系は女性比率が低いため、積極的な募集活動や環境整備を進め、女性比率向上を図る。

● 生徒が自分のキャリアに関する選択を自律的に設計できるキャリアデザイン能力を身に付けさせるため、小学校、中学校、高等学校においては各学校段階のキャリア教育内容との接続を意識し、系統的なキャリア教育を行う工夫の検討を進める。

● 職業選択の参考となるインターンシップ等の職業体験を受け入れる機会の拡大を進める。

● ロールモデルを示すことを通じて、分かりやすく将来展望を示すことが重要なため、産学が協力して、モデルとなるケースを紹介する。特に、現場でキラキラと輝いて仕事に取り組んでいる女性や理系の女性教員等身近なロールモデルとなる方から理系の魅力やものづくりを目指したきっかけを聞くなどの進路選択の参考とする機会を積極的に設ける。

 

【政府】

● 「理工チャレンジ」(内閣府ホームページ)等の広報媒体において、仕事とライフイベントを両立しながら活躍している理工系女性の活躍している姿を継続的に発信すること等により、女子中高生等の理工系分野への進路選択等を推進する。

● 大学等と地域が連携した保育環境の整備や保育サービスの充実を図るとともに、学びを通じて、就労や社会参画につなげるための支援を行うモデル等を構築・普及する。

● 産業界、大学、教育委員会等と連携し、小学生、中学生、高校生等が、身近なロールモデルから最先端の科学技術等に触れる機会を確保することで、将来の理工系分野を担う人材の知識や意欲等を高める取組を推進する。

 

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