第6回キャリア教育アワード

<コーディネーターの部>

<優秀賞> キャリア教育研究所ドリームゲート

<奨励賞> 株式会社トゥワイス・リサーチ・インスティテュート 

 

特定非営利活動法人 WEBREIGO 

特定非営利活動法人沖縄人財クラスタ研究会 

株式会社 Campanula(カンパニュラ)

福岡女学院大学(キャリア開発教育センター)

 

【優秀賞 (コーディネーターの部)】

キャリア教育研究所ドリームゲート 

■プログラム名

子どもまちゼミ「お仕事体験わくわくワーク」 

 

■活動の内容(概要)

 

2013年に磐田市協働のまちづくり事業としてスタートした小学生高学年のための仕事体験イベント。コーディネーターが行政(商工観光課)とともに受け入れ事業者を探し、児童の職業意識を刺激する事業として16か所で開始した。翌年には33か所、本年度は23か所での開催と継続している。

 

仕事体験だけでなく、その企業店舗の魅力を子どもが取材しPRする「ポスター制作」を「振り返り授業」として行うことにより、子どもたちにコミュニケーション能力やチームで働く力、プレゼンテーション能力などが身に付き、全体を通してやる気や能力を伸ばすことに結びつけている。キャリア教育コーディネーターが中心となり「振り返り」の重要性や「憧れの大人の顔の見える」チラシ作りなど、子どものやる気を引き出し、力を付ける工夫をしている。

 

参加した事業者からは「自社の魅力の発見や自己の振り返り、売り上げアップにつながった」という声があり、保護者からは子どもの変化に驚き、活動に感謝をされている。地域の小学生と事業者を結び、保護者含め win-win-win となっている。

 

(左上)お寺での掃除の様子雑巾の絞り方を知らない子どもを指導する住職。

(中央)ガソリンスタンドでは、衣装も用意され、実際のお客様への給油や会計、おしぼりサービスなどを体験した。

(右上)地元のケーキや和菓子を扱うお店では、お客様をお出迎えする挨拶の仕方を3 種類教わった。

 

(左上)取材した内容、魅力をポスターにするために子ども会議で話し合う。おおよそのポスター下書きまでを目安として、「見守り隊」の大人(団体ボランティア)が促す。

(中央)翌週、各所で体験した全員が集まり、撮影した写真や取材したメモ、ポスターの下書きを元に、チームで協力しポスターを完成させる。

(右上)ポスターの内容を時間内にチームでプレゼンする。

 

■審査委員からの評価コメント

 

○ 行政や教育委員会、商工会議所等と連携し、多岐に渡る職場体験先を確保し、子どもの希望に沿った分野での職場体験を実施している。体験終了後に発表会を実施することで、主体的に体験学習に取り組むことができ、 別の職場での体験学習による学びを共有することができる点が評価できる。

○ 「体験すること」が自己目的化する懸念のある「お仕事体験」の質の向上を図り、キャリア教育の一環として位置付けるためのコーディネートがなされている。 

 

奨励賞 コーディネーターの部)】

株式会社トゥワイス・リサーチ・インスティテュート

■プログラム名

トゥワイス・プラン『企業インターンワーク』 

 

■活動の内容(概要) 

 

「企業インターンワーク」は、これまでの日本の経済成長を支えてきた多くの企業が、次世代を担う若者たちの「生きる力」を育むことに貢献できる、継続的かつ実質的な教育プログラム。「キャリア教育」、「アクティブラーニング」、「課題解決型学習」のできる実践的なプログラムとして、全国の中学・高校の情報科 や総合学習、英語、公民などの通常授業で活用されている。

 

生徒たちは教室にいながら、実在の企業のインターンとして課題に取り組む。授業は12回で構成され、生徒たちはチームづくり、企業選び、担当者との面談、企業から出される課題に対するブレスト、リサーチ、プレゼンテーションを通して、実社会で役に立つ力を身につけていく。企業から出される課題は「指令」と呼ばれ、企業が本気で注力していることや、問題として解決したいことに生徒たちが挑戦する。

 

本物の企業とのやりとりを通して、生徒たちの「職業理解」「コミュニケーション力」「チームワーク力」「問題発見・解決力」「論理的思考力」「情報収集・活用力」「プレゼンテーション力」を育むことにつなげている。

 

実際に授業を進行するのは先生であり、実施にあたっては、学校ごとに担当のコーディネーターがつき、取組開始前の学校・企業へのオリエンテーションから、取組中の授業サポート、終了後の振り返りの実施など、先生が無理なく授業の運営ができるように年間をとおしてサポートしている。

 

インターン先から出される「指令」を達成するために、チームで協力してアイデアを出し合う。 アンケートなどのフィールドワークに取り組んだり、繰り返し会社や取り扱っている商品をリサーチしたりと、それぞれのやり方で回答を組み立てていく。

生徒たちは最後の最後まで話し合いながら磨きをかけ、提案を仕上げていく。 プレゼンテーションの前には、本番を想定したリハーサルを行い、回答をブラッシュアップ。本格指令に対するプレゼンテーションは、クラス全員で審査をして“グランプリ”を決める。

 

■審査委員からの評価コメント

 

○ 教育現場と企業を上手くコーディネートしており、日本を代表する企業の課題解決を体験できるのは、生徒にとって貴重な機会である。中学・高校でも実施しているのは先進的である。

○ 実際の企業から指令(課題)を発し、生徒学生に対して、リアルに企業が直面する課題に対しても目的からゴールまでのプロセスを示して取り組ませることは、企業の役割や社員の仕事を理解させるとともに社会人基礎能力の向上を図る方法としてよい。

○ 生徒や学生の目に留まりやすい企業からの課題提示等、生徒の意欲を高揚させる工夫がなされている。課題が深いことで、単純な「職場体験」「職業調べ」ではなく、より総合的に経済や流通、消費等、社会や企業を学ぶ質の高い活動となっている。 

コーディネーターの部

特定非営利活動法人 WEBREIGO (ウェブレイゴ) 

■プログラム名

国際標準オリンピック、世界に羽ばたくキャリア教育 

 

産学官連携において生徒を指導し、日本代表チーム (男子3名)を国際規格オリンピックに選出、高校生 チームが金メダルを獲得した。
産学官連携において生徒を指導し、日本代表チーム (男子3名)を国際規格オリンピックに選出、高校生 チームが金メダルを獲得した。

■活動の内容(概要) 

 

今、何が社会から必要とされているか(トレンド)を模索し、中学生や高校生のうちにしかできない学習内容を開始するべく、「やればできる、夢を形に」をテーマに社会のニーズを先取りするキャリア教育を支援。グローバル化の急速な進展のもと規格(ISO)標準化の必要性が高まる中で、国及び社会が必要としている、標準・規格(ISO)教育を中学・高校生に行い、日本で初めて、国際標準オリンピックに参加できる生徒の育成を産官学連携で行った。

 

産学官による連携、プロジェクト・ニーズに合わせた参集・散会方式を採用することで、各分野の専門家からなる少人数の精鋭チームによる支援体制を結成し、規格についての日本国内の情報収集と専門的知識の構築や、参加に必要な知識を養うための教育プログラムの立案などを行った。

 

プロジェクトの中で、生徒がアクションのできる場面をつくる、役割を持たせるなどし、生徒のリーダーシップ・主体性を尊重しながら指導を行い、結果として、金メダルを獲得するという評価を得ることができた。

生徒に指導するために規格における国内の膨大な先 端情報をまとめたもの。 ユニバーサルデザイン及びサイエンスカフェで使用 したロボット最先端技術情報等。

特定非営利活動法人沖縄人財クラスタ研究会

■プログラム名

おきなわ企業魅力発見事業「Guts+」

(インターンシッププログラム)

(平成 23~25 年度)中小企業魅力発見事業「Guts」

(平成 26 年度~)おきなわ企業魅力発見事業「Guts+」

 

おきなわ企業魅力発見事業(実施体制図)
おきなわ企業魅力発見事業(実施体制図)

■活動の内容(概要) 

 

沖縄県内の大学1~3年生、短期大学・専門学校1年生、高等専門学校3~4年生に対し、県内中小企業における効果的なインターンシップを実施することで、中小企業への就職を視野に入れた幅広い職業観を育成するとともに、社会人基礎力およびキャリア自律に関する能力を醸成し、雇用のミスマッチの解消および若年者雇用情勢の改善を図っている。また、県内企業に対して、インターンシップの活用を促し、大学生等のインターンシップを新たに受け入れる企業を開拓している。

 

2週間のインターンシッププログラムは事前研修6日間と企業実習3日間×2社で構成。インターンシップ生の募集は公募で行われ、県内の様々な大学等から、年間200名の学生が参加している(理系・文系など専攻を横断して参加)。

 

事前研修では、1日3コマ×6日間の座学(職業観・リーダーシップなど)を行い、社会人基礎力や自己効力感の強化を狙った体験型ワーク、業種・業界・役職の異なる社会人による講義(職業観・人生観中心)を設け、「職業に対する視野の拡大」「社会で評価される人材の共通点の理解」「社会とはどういうものか?の把握」が促進されるようにプログラムを構築している。

 

○おきなわ企業魅力発見事業(実施体制図)

<運営事務局>

 沖縄人財クラスタ研究会

<運営共同体>

 エスフシー エスフシー、近代美術、Message

<企業側>

 沖縄県中小企業家同友会など各種経済団体 ほか

<大学・専門校側>

 沖縄県専修学校各種協会、沖縄県大学就職指導研究協議会

 

平成28年春期の学生用募集チラシ 事前研修の雰囲気がわかるようにしてある。
平成28年春期の学生用募集チラシ 事前研修の雰囲気がわかるようにしてある。

企業実習では、1社目は興味のある業種・業界、2社目は興味がない業種・業界を体験することで、職業選択の拡大や「興味がないと思っていた仕事でも全力で取り組めば、興味が湧いてくる」ということを実感できるようにしている。

 

企業に対しては、自社の活性化やスタッフの人材育成の機会として捉えられるようにコンサルティングを行うとともに、平成26年度からは、参加企業と学生そして、大学・専門学校関係者が集う「GutsCafe」(インターシップの報告会&体験)を実施し、プログラムの改善・改訂ついて協議をする場を設け、産学の協働体制づくりに取り組んでいる。

株式会社 Campanula(カンパニュラ)

■プログラム名

Jobstudy.jp ~地域企業と連携した体験型キャリア教育プログラム~ 

 

■活動の内容(概要) 

 

『jobstudy.jp』は、地域企業の社員が小中学校での出前型職業体験に協力することで、社員育成とキャリア教育を同時に行う体験型キャリア教育支援プログラム。

 

児童・生徒は、事前学習から職業体験学習、振り返り学習まで一貫して「仕事の特性と自分の特徴の共通点を探す」「自分で考え行動する」の2点を「活動の目当て」としている。この目当てに到達できるよう、参加企業の社員は学校で指導を行う前に18時間程度の事前研修を受講し、コーディネーターと共同で教育プログラムを開発する(このプロセスが社員にとってもキャリア教育となっている)。

 

また、職業体験当日、生徒は体験内容が記録できる専用のノートを持ちまわり、企業が説明する「仕事の社会的役割、仕事の必要性、その仕事をするのに必要なこと(その仕事に就くために今の自分が勉強しておくべきこと)」と体験の感想をノートに記録。後日、先生方が実施する振り返り学習で活用する。

 

児童・生徒には職業体験の事前・事後にアンケートを実施し、基礎的・汎用的能力の変化に関する成果指標を測定し、結果を教師へフィードバックする。職業体験学習を通して、生徒自ら考え行動し自分の特徴が発見できる、地域連携型キャリア教育をコーディネートしている。

 

【支援・連携体制】

児童・生徒が自己の特性を自主的に体験できるキャリア教育プログラムを 企業と共同開発し、学校の総合的な学習の時間に併せ、学校内で職業体験を 実施している。 キャリア教育プログラムを共同開発するのは主に地域の中小企業。述べ 178 社の地域企業と、キャリア・カウンセラーなど専門知識を有している方々と連携している。

【学習ツール】

学校での学習ツールは全て参加企業が日常的に活用している仕事の道具。 実際の仕事の道具を使って、企業の社員から仕事の仕方を学ぶ。企業の説明 や体験の感想は専用の「Jobstudy.jpノート」に記録。これにより児童・生徒は自己の特徴を把握できるキャリアノートとしても活用できる。 先生方はその後のキャリア教育活動でも引き続き活用できる。

福岡女学院大学(キャリア開発教育センター)

■プログラム名

大学職員が企業と創る課外課題解決型学習会

-私たちの「みらい」プロジェクト―/開かれたPBLへの挑戦  

 

■活動の内容(概要) 

 

大学職員のコーディネートによる課外での「場づくり」活動。情報化社会で長所としてSNS等で横のつながりが強く、短所としてリアルな経験の不足から、知らない人(縦、年上)や経験ないことへの抵抗感が強い学生たちに、学部学科や学年、出身地域が異なるチームによるPBLを通じ、知識を知恵へと変えて社会人基礎力を身につけさせ、「リーダーシップ」意識を高めることを目標としている。

 

内容やテーマは年により異なるが、4ヶ月程度で実施するため、社会で必要な力のうち、特に対課題基礎力の向上を意識している。2015年度は、首都圏2大学と連携して、働くことへの覚悟をもたせるため、「自己理解」と「営業」について考えさせ、リコージャパン株式会社九州営業本部の営業担当者が実際に抱える課題を、参加学生 12 名が3名×4チームに分かれ「発見・分析・提案」を行った。プレゼンテーションだけでなく、課題解決のためのクリアファイルデザインの提案も行わせることで「クリエイティブ力」の向上も図った。

 

授業はチームビルディング、自己理解、ライフ・キャリアプラン、アンケート設計、インタビュー実施、プレゼンテーションを個人・ペア・チームワークで行い、発表、フィードバック、振り返りという内容で構成しており、課外活動ならではの課題、チーム分けやスケジュール調整等への対応力も求めている。社会人からのフィードバック、シートや模造紙を使った自己理解にも時間をかけている。

 

【支援・連携体制】

全体をコーディネートする本学を中心とした複数の支援企業・大学という関係性、複数の企業人・大学生・大学教員・ 大学職員という関係性から、プレーヤーが増えることで、新たな他者との接点が増え、モチベーション向上、多様性確保、透明性確保へとつながっている。 また、それぞれが与え、与えられる立場を経験できるような連携体制をとっていることから、企業側はCSR として行いやすく、互いの支援はもちろん、社内や学内的な理解や支援も得られやすい。

【教材・ツール、手法】

授業支援企業と連携して、オリジナルシートを使って授業を進めた。(1)自分自身を知る、(2)営業を知る、(3)分析・提案方法を行う、(4)クリエイティブ力を付ける、(5)リーダーシップを身に付けるという学習目標を達成するため、A.「 思考補助」、B.「体験による学習効果の促進」という観点で、授業設計及び教材、手法を選択している。

□教材 A.例:自分の体験を列挙、「要は」を考える事により自己を知る。B.例:「何故」を禁止したインタビュー練習、 質問を作る事の難しさを体験。

□手法 A.例:自身の気持ちを「漢字1 文字」に表す、「自分の取扱説明書」を作る事により、なぜそのように考えたかを内省し、自分自身を客観的に捉える。B.例:中間発表会の開催と直後の振返りの実施。

 

出典:第6回キャリア教育アワード事例集

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