第5回キャリア教育推進連携表彰

【最優秀賞

団体名

京都こどもモノづくり事業推進委員会

■活動の内容(概要)

<京(みやこ)少年モノづくり倶楽部(初級コース)の様子>
<京(みやこ)少年モノづくり倶楽部(初級コース)の様子>

京都こどもモノづくり事業推進委員会は、産学公連携の下、伝統産業から先端技術産業が共生する「ものづくり都市・京都」の特性を生かし、(1)「京都モノづくりの殿堂・工房学習」、(2)「京(みやこ)少年モノづくり倶楽部」、(3)「至高の動くおもちゃづくりトイ・コンテストグランプリ in KYOTO」の3つの事業を推進し、その規模も々拡大している。本委員会は、京都市の子供たちがモノづくりを学び、体験する機会を創出し、将来の生き方につながるキャリア教育活動を積極的に支援している。

 

■受賞理由

・小学校155校、9,000人以上の参加する規模は高く評価できる。伝統工芸から先端産業にいたるまで幅広い産業の立地する京都の地域的特色を十二分に活かしたプログラムである。

・「ものづくり都市・京都」の特性を生かしつつ、様々な機関・組織の連携が図られ、規模拡大を重ねてきたのみならず、PDCAに基づく将来計画も具体的に策定されている点が高く評価できる。

・本事業がキャリア教育(生き方探究教育)の核とされ、総合的な取組となっている点も全国的なモデルとしてふさわしい。

・支援団体も多く、行政も確実に機能し、学習や体験のクオリティーがとても高い。このような事業のひとつひとつが京都の伝統や生徒の生き方に左右し、底力のある京都のキャリア教育を支えている。

・「企業ボランティア」や「モノづくり学習支援員」など、人材育成に繋がる活動に取組まれている。

・教育関係者だけでなく、経済界、行政、マスコミ等が協力し、地域ぐるみでモノづくり教育を推進している点が評価できる。

 

■連携・協働している機関や団体、組織

【教育関係者(学校、教育委員会等の機関や団体)】

京都市教育委員会、京都理科研究会、京都市図画工作教育研究会、京都市立中学校教育研究会理科部会、京都市立中学校教育研究会技術・家庭科部会、京都市立洛陽工業高等学校、京都市立伏見工業高等学校

 

【行政や地域・社会、産業界等】

京都市産業観光局、公益財団法人京都高度技術研究所、NPO法人京都シニアベンチャークラブ連合会、一般社団法人京都発明協会、京都市小学校PTA連絡協議会、京都市立中学校PTA連絡協議会、京都大学、京都工芸繊維大学、京都教育大学、立命館大学、同志社大学、日本放送協会京都放送局、株式会社京都放送、日本経済新聞社京都支社、京都新聞社、日本教育新聞社、京都商工会議所、京都経営者協会、公益社団法人京都工業会、一般社団法人京都経済同友会、オムロン株式会社、株式会社島津製作所、日本写真印刷株式会社、サムコ株式会社

 

■活動開始の経緯

 【活動開始時期】2007年~ 【継続年数】9年目

伝統産業から先端技術産業までが共生し、相互にきめ細かく支え合う「ものづくり都市・京都」の特性をいかし、産学公連携の下、小中学生がモノづくりを学び・体験する機会を創出するため、産業界、地元企業、大学、小中学校・工業高校、関係団体及び行政機関による「京都こどもモノづくり事業推進委員会」が設置され、モノづくりに関する事業の企画・運営・評価を行い、京都市のキャリア教育活動を積極的に支援している。

 

■「協力性」についての具体的な取組、工夫している点など

<至高の動くおもちゃづくりトイ・コンテストグランプリ in KYOTO の様子>
<至高の動くおもちゃづくりトイ・コンテストグランプリ in KYOTO の様子>

本委員会は、教育関係者、行政、PTA、京都経済界、マスコミ、NPO法人、学識経験者等、本市の生き方探究教育(キャリア教育)を産学公連携・市民ぐるみ・地域ぐるみで進めるうえで必要な幅広い関係機関から構成されており、それぞれの立場から京都こどもモノづくり事業の改善・発展に資する意見をいただいている。

 

また、「京都こどもモノづくり事業」は、(1)「京都モノづくりの殿堂・工房学習」、(2)「京(みやこ)少年モノづくり倶楽部」、(3)「至高の動くおもちゃづくりトイ・コンテストグランプリ in KYOTO」という3つの事業を柱として推進している。本委員会の下にこの3つの事業ごとの部会を置き、事業ごとのより踏み込んだ議論、総括を行ったうえで、本委員会で最終的な方向性を決定している。

 

さらに、本委員会を組織する団体の中には、各事業の実施の主体となる団体も多くあり、主催側としても連携して事業を推し進めているところである。

 

■「継続性」についての具体的な取組、工夫している点など

原則として年2回(11月と3月、部会及び委員会を合わせると年8回)、3部会及び委員会が開催されており、年度1回目の部会及び委員会で上半期実施状況の総括と下半期の取組について、2回目の部会及び委員会で年間を通した実施状況の総括と次年度の取組計画について審議されている。本委員会では、各事業における参加者・保護者・教員・ボランティアからの各アンケートの分析結果を基に、子供たち一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要となる力を育成する「生き方探究(キャリア)教育)」の視点から評価・分析を行い、次年度における更なる改善・充実に向けた具体的な取組方針を策定している。

 

また、委員会では、主催団体同士の情報交換や互いの評価も行い、次年度事業の推進につなげている。

 

■「実践性」についての具体的な取組、工夫している点など

本委員会のメンバーに小学校の図画工作及び理科、中学校の技術家庭科及び理科の研究会長、工業高校の校長のほか、小・中学校のPTA役員にも参画いただき、学校教育現場や家庭の実態やニーズを踏まえた議論をいただいている。

 

また、ものづくり都市・京都ならではの、モノづくり企業の多数かつ主体的な参画を得ており、委員会・部会を合わせると、約20社の京都企業が参画している。

 

さらに、生き方探究館で行った体験学習を、各学校において、日々のキャリア教育の取組や教科学習に繋げていく必要があることを、学校説明会や学校訪問などを通じて各校に指導・助言を行っている。

 

「発展性」についての具体的な取組,工夫している点など

<京都モノづくりの殿堂・工房学習の様子>
<京都モノづくりの殿堂・工房学習の様子>

「京都モノづくりの殿堂・工房学習」については、本格実施を開始した平成22年度は52校3,108名の参加であったが、平成27年度には155校9,269名が参加予定となっており、市立小学校の92%が実施している状況である。本学習は悉皆実施ではないため、事業効果が各校において評価され広まっているものである。また、本学習にあたっては、多数の地域企業に協賛いただき、調べ学習を行う企業ブースの出展や実際にモノづくりを体験するための教材を無償で提供いただいている。

 

<京都モノづくりの殿堂・工房学習の様子>
<京都モノづくりの殿堂・工房学習の様子>

各事業において、協賛企業から「企業ボランティア」を派遣いただいており、さらに、モノづくり企業のOBが「モノづくり学習支援員」として、子供たちにモノづくりの楽しさや奥深さ等を伝えている。この「モノづくり学習支援員」については、年々登録人数・活動人数ともに増加しており、平成26年度は延べ1,168名の方に支援いただいた。

 

■学校現場の評価・ 感想・コメント

学習実施後に行う教員向けのアンケートにおいて以下の回答を得ている。(26年度)

(1)モノづくりに興味や関心を持つようになった 51.5%

(2)将来の職業や仕事を意識するようになった 22.6%

(3)京都に対しての愛着や誇りを持つようになった 19.6%

※アンケートにおける自由記述

・自分の将来や夢を考えるきっかけになった子が多く、未来のことを考える良い場になった。

・モノづくりに興味を持ち、身の回りの「モノ」や、それらを作る企業にも興味を示すようになった。

 

■関係諸機関(行政・産業・地域団体等)からの評価・感想・コメントなど

京都まなびの街生き方探究館には、毎年、全国の自治体から多くの議員・職員が視察に来られている。「生き方探究(キャリア)教育」を「京都こどもモノづくり事業」の核の一つとして実践しているところを御覧いただき、「自らの自治体でもこのような施設を整備して取り組みたいと考えるが、これほど多くの企業・市民の協力を得るのは実際のところ難しい。産学公連携、市民ぐるみ・地域ぐるみが様々なところで根付いている京都市ならではではないか。また、学識経験者、経済界、マスコミ、企業、PTA、学校など幅広い機関からの構成や、各部会と委員会での報告・検証の進め方など、その組織・仕組みが素晴らしい。」との感想をいただいている。

 

出典:第5回キャリア教育推進連携表彰受賞者事例集

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