高校事例1

大学教授の模擬授業が進路を決めるヒントに

恵泉女学園高等学校 鈴木かおり先生

聖書・国際・園芸を柱にした女子教育の場

恵泉女学園高等学校は、東京都世田谷区に位置し、1学年の定員は180名(*注:3学年合わせた生徒数は567名)です。日本人キリスト教信徒が創設した学校で、聖書・国際・園芸を柱に女子教育を展開しており、ほとんどすべての生徒が大学に進学します。

 

 

大学模擬授業では国際関係分野が人気


2010年度から、高校2年生を対象に、大学教授による模擬授業を行っています。まずは5月に㈱さんぽうを通じて、生徒が興味をもっている学問(学科)のアンケートを実施。その結果をもとに、7月の夏休みに入る直前の半日を使い、約12大学の教授に、90分授業を2コマ行ってもらっています。生徒は2つの異なる授業を受講します。

 

授業では国際系をはじめ心理学やマーケティング、フランス文学など、高校にはない学問の概要に触れることができます。たとえば、一昨年、立教大学現代心理学部の先生による「心理学を知る」という授業を行った時には、92名の生徒が受講しました。

 

アンケート結果は毎年変わりますが、一貫して人気が高いのは国際関係分野です。この志向は、本校の教育方針と関係があるでしょう。国際関係分野では、一昨年は東洋英和女学院大学、昨年は津田塾大学の教授のお話を伺いました。来校いただく大学は女子大学が多く、東洋英和女学院大、津田塾大、フェリス女学院大、日本女子大、白百合女子大には毎年来ていただいています。

 

 

マーケティングの模擬授業を受け、経営系に進む生徒が増えた

 

模擬授業は、大学で勉強したい学問を決めるうえでとても役立つ体験になっています。顕著な成果が見られた授業は、今春の卒業生が高校2年生の時に受けた「マーケティングって何?」です。東洋大学経営学部マーケティング学科の先生にお越しいただき、計33名が受講しました。本校は女子校ということもあり、経済・経営系学部に進む生徒は毎年10名ほどでしたが、この授業でマーケティングとはどのようなものなのかを知った結果、経済・経営系学部を受験する生徒が約30名に急増しました。また、理系の生徒の中でも工学部の経営システムを受験する生徒が増えました。

 

そのほか、武蔵野美術大学の芸術文化学科の先生による「人と社会をアートでつなぐ」という授業も、受講生は20数名と少数でしたが、生徒の興味を喚起していました。アートに関わる仕事は実際に作品をつくるアーティストに限られず、作品を社会に紹介していくスタンスでの仕事も数多くあるというお話を伺えたことで、美学や美術史を学ぼうと決めた生徒が何人か出ていました。

 

 

保育園や老人ホームでの奉仕活動を経て、看護学部へ

 

本校のそもそもの進路傾向としては、看護学部を受験する生徒が多いという傾向があり、1学年180名のうち毎年10名前後が看護学部を受験しています。保育園や老人ホームなどに訪問する奉仕活動を通して、「直接患者さんのお世話をしたい」という意欲が芽生えるのではないかと思います。

 

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