コラム

横須賀をキャリア教育推進連携表彰に導いたスーパーコーディネーター その秘訣と教育を語る 第1回

細野裕氏

「よこすかキャリア教育推進事業事務局」キャリア教育コーディネーター(平成21.22年度)


 

1.キャリア教育は学校を変える。よこすかにキャリア教育コーディネーター誕生

私が初めて職場体験をさせたのは、17年前のことです。当時、横須賀でも有名な荒れた中学校で、2年生の学年主任をしていました。生徒たちはどうやったらよくなるのかと考えて生徒たちを見ていると、自分と、この学校で学ぶことに自信や誇りが希薄なことに気づきました。成績のよくない子は、勉強する意味がわからない、だから授業が面白くない。ちょっと乱暴者がいれば事件が起きて目先は面白い。そんな状態でした。この学校で成績が良くても、世間に出ればどうなのか。勉強はどこに向かっていくためにするのか、自分は何になっていくのか、不安なのです。

 

このままではいけないと思い、生徒たちが勉強する意味を知り、自分の未来を切り開くために仕掛けたのが「職場体験」でした。それも、自分の親か親に近い大人が働いている姿に出会う「職場体験」。そこにいる大人そのものを、自分の今にひきつけ、今を近い未来に結びつける。成果が自分で実感できるように、自分へのミッションが課せられる仕組みも作りました。すると、その学年が変わり、学校がみるみる間に正のエネルギーを放ち始めました。学校教育の視点に、地域の教育力を、それも実際に働いている大人の教育力(学びのベクトルを創る、刺激する)を戦略的な取り入れました。

 

横須賀市が文部科学省の「キャリアスタートウィーク」のモデル地区になったのは平成16年度です。その時の指導主事の方が、「細野さんはこれまでもキャリア教育をやっているから、推進校になってくれないか」と言ってきたのです。当時私は、ある中学校の新任の校長でした。自分が校長になったら、キャリア教育を学校経営の基盤としたい、と考えていたので、ただ職場体験をするのではなく、現在商工会議所がやっている形の原型とも言える形のキャリア教育を導入しました。その中学校も7-8年荒れ続けた学校でしたが、結果的に3年で学校全体が落ち着き、生徒たちの成績も上がりました。ですから、いいキャリア教育を行うことは、生徒のためにも学校のためにも必ずよい効果があるということを、自分自身の経験から、確信として信じています。

 

そんな視点を持った校長ですから、よこすかキャリア教育推進事業の立ち上がりのためにコーディネーターの必要性を強く提案しました。そしたら、「あなたやってくださいと」。退職校長の次のステージが、キャリア教育推進コーディネーターです。(つづく)

 

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