コラム

横須賀をキャリア教育推進連携表彰に導いたスーパーコーディネーター その秘訣と教育を語る 第4回

細野裕氏

「よこすかキャリア教育推進事業事務局」キャリア教育コーディネーター(平成21.22年度)


 

第4回 各中学校の取り組み(1) 1次産業を2次産業、3次産業そして6次産業へと仕掛けて面白がらせたプログラム

サツマイモが学校から飛び出すと、サツマイモ栽培は、ただのサツマイモでなくなった!

長沢中学校では、学校菜園でサツマイモを作っていて、それを学園祭で食べていました。でも、食べるだけではなく、「お芋を加工して売る」というテーマを設けたら、これは、さなぎが蝶になるように、キャリア教育になりました。どうしてかというと、売るためには経済のサイクルを勉強しなきゃいけない。お芋を作るのは一次産業、加工業は二次産業、販売業は三次産業。つまり6次産業の啓発です。

 

生徒たちがサツマイモを使ったお菓子を考えます。でも、加工するには、ライセンスがないとできないので、地域の産業人=マイタウンティーチャーを探すわけです。売るとなるとサービス業。実際に働いている人のアドバイスを受けながら、値段をどうつけたらいいか、どう売ったらいいか、考えるのです。このサツマイモは原価いくらなのかとか、電気代とか教わるわけです。そして、いくらの値段にするの?って皆で考え、話し合って決めます。150円で売ろうとか、100円にしようとか。高いよ、買う?とか。


これは、もう中3でやる公民分野の「経済」です。2年生でその勉強を実感としてやって、3年生で学問として教科書を見る。つまり、教科の横断的なキャリア教育じゃないですか。

 

しかし、このプログラムは、私からは提案しませんでした。もちろん、これはいいプログラムになるとうすうすは思っていました。しかし、コーディネーターから言いません。相手の主体性も必要ですし、くいつきも大事ですから。

 

キャリア教育の先進校になりたいと校長先生は考えていましたが、先生方はどうしたらよいかわからなかった。だから、まず1時間研修やりましょうと。キャリア教育とは何をするものかというレクチャーをしました。

 

それから、担当者の教師4名と私でワークショップをやりました。そこで、「6次産業でやってみてはいかが」とさりげなくファシリテーションするわけです。当事者の先生だけになったときに、「この学校には芋がありますね」なんて言う。そうすると、教師も気づくわけです。話し合いの時間をたくさん持ちました。4月・5月は理解したり、思いついたり、アイデアをまとめたり。そこに時間を割きました。だから実際に動き始めたのは6月・7月です。

 

キャリア教育は、狙いが明確じゃないとキャリア教育にはなりません。狙いを明確にして、テーマを設け、学びのプロセスを描く、そういう要素や視点が必要です。

 

キャリア教育で高めていく視点があるわけです。そこをちゃんと仕掛ける指導企画案を作る。「売る」という社会的な営みを、体験的に学ぶ。消費者のニーズと売りたい側の思いが、体験的にリアリティを持ってわかってくる。それを3年生の公民の「経済」に実感を持ってつなげる。教師はそういうことを考えていく、仕掛けていくのが仕事です。

 

サツマイモのお菓子は、最初は横須賀市の産業祭で売りました。そして、3千人もランナーが集まる地域のマラソン大会でも売り、さらにお弁当も売るという努力をしていたんですよ。地域の二次産業と。だから、長沢中のプログラムは断トツに面白いものになりました。

 

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