コラム

横須賀をキャリア教育推進連携表彰に導いたスーパーコーディネーター その秘訣と教育を語る 第7回

細野裕氏

「よこすかキャリア教育推進事業事務局」キャリア教育コーディネーター(平成21.22年度)


 

第7回 MTTマイタウンティーチャーは育つ コーディネーターが育てる

市研究所から、「新人教師に、企業人として話してもらいたい。だれかいい人は、いないか」と相談が入りました。育ってほしいMTTが1人いました。白羽の矢を当てたその方、Wさんは「私なんて」と謙遜しましたが、営業活動をしているし、人前で話す機会も少なくなさそうな方なので、不安なことは全て応援するから、やってみてほしい、やる価値はありますよと励ましました。

 

中学生を相手に自分の仕事のことを話したWさん。今度は、22歳を中心とした新社会人に話すことになりました。彼は用意周到すぎるくらいの原稿を用意。「それ全部しゃべるの?」「ええ、そのつもりです。不安で…」。そういうWさんに、「これは大人のキャリア教育プログラム。あなた自身が重要で、何を話すかも大切だが、何が伝わるか、何を伝えるか…そこんとこですから」。Wさん、大きくうなずいてくれました。

 

さて、新人教師にWさんが伝わることになりました。質疑応答を通じて、Wさんは、自分自身を探すかのように答えていった。その語り口調と内容は、彼自身であり、彼しか語れないクオリティの高い体験であり、体験からくる思いでした。それは、新人教師の前向きな気持ちをさらに前向きにさせました。そして、その反応が、Wさんに自信を持たせる結果となったことは言うまでもありません。

 

Wさんの会社は、体験学習の受け入れも行っていました。とても嬉しい、キャリア教育の成果の一つを絵に描いたようなことが起こりました。中学生の時にWさんの職場で、体験学習をした女生徒Yさんが、入社試験に合格し、正社員になったというのです。

 

Yさんは、体験学習の際、ほんとうはフロントの仕事をしたかったのですが、しかし、その頃はフロント業務は、その仕事の重要性から体験学習からは外しており、中学生にはできませんでした。清掃をしながらフロントがいいなあ、やりたいなあと思ったYさん。どういう勉強をすれば、この会社、こういう系列の会社に入れるかを調べ、その方向の大学に進学し、そして15歳の時の思いを実現するために、Wさんの会社を受け、見事合格したのです。Yさんが、入社後Wさんにその胸の内を語ると、そうだったのかと会社中が明るい思いに沸きに沸いたのでした。

 

そういうことが生まれたこのWさんの会社。その後の変化は言うまでもないことです。よこすかキャリア教育の大いなる理解者であり、支援者と組織をあげての力強い存在になっています。先駆者は力を付けてMTTのリーダー的存在になり、スタッフを入れ替わり立ち代わりプログラムに参加させてくれています。Wさん自らも、時にMTTとして、学校現場に参加し、中学生と語り合っています。

 

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