平成25年度キャリア教育推進連携シンポジウム

「第4回キャリア教育アワード」最優秀賞受賞企業・団体による事例発表

3.アイシン精機株式会社・アイシングループ「アイシン環境学習プログラム」

発表者:アイシン精機株式会社 総務部 さわやかふれあいセンター 南田弘氏

南田弘氏
南田弘氏

■教育NPOと環境学習プログラムを開発

 

アイシングループは、愛知県刈谷市に本社を置くアイシン精機株式会社を中心として、自動車部品をはじめ住宅設備機器、エネルギー機器、福祉機器等、世界19か国171社で製造販売する企業グループです。アイシン環境プログラムはアイシン精機ほか、6社で運営しています。

 

アイシングループでは、企業市民活動として、NPOなど地域団体との連携で地域に密着した活動を、従業員の参加促進を図り、汗を流す活動により意識向上につなげる、という活動方針を設け、自然環境保護、青少年育成、街づくりを3本柱として取り組んでいます。その中でも現在は特に青少年育成に力を入れています。2005年の愛知万博において近隣の小学校と環境発表会を実施、その経験を活かし環境学習に力を入れようと思いましたが、企業の力だけでは上手く進まないことがわかりました。そうしたところに、教育NPOのアスクネットと出会い、プログラムを進める切っ掛けができました。アスクネットは、愛知県の教育NPOで、学校と地域をつなぐ教育コーディネーターとして、キャリア教育を推進している団体です。

 

プログラムの開発においては、アスクネットを通して、有識者市民団体にも参画していただき、ワーキンググループを形成し開発を進めました。アイシンの役割は費用負担だけでなく、アイシンエコトピアなどフィールドの提供、プログラム自体の改善などを行います。アスクネットの役割は、市民講師のコーディネート、実施校との連絡や調整などで、特に学校との調整は、私たちが直に学校に入るよりも教育コーディネーターであるアスクネットの方が調整が上手くいくと思い、アスクネットの役割としました。

 

■4つのステップを1年間かけることでエコアクションを身につけるプログラム

 

プログラムは、小学4~5年生を対象に、気づきからエコの実践へとつなげていく流れで、年間を通じて行います。森、水辺、暮らし、産業の4つのテーマから、地域の特性や課題、学校の取り組みなどに合うテーマを学校と協議して1つ選定し、(1)学び・感じる (2)共感する (3)実践する (4)成果発表、の4つのステップを1年かけて実施します。

まず、(1)学び・感じるのステップでは、テーマに沿った環境の講師を招き、学校の要望に合った座学体験講座を実施します。自然体験やゲーム等を通じて疑似体験することで、子ども達に気づきを与えたり、体験を通して考えたり話し合ったりする講座となっています。例えば買い物ゲームと題して、ショッピングの疑似体験を実施し、どのような買い物の仕方が環境に良いのかを学んだりします。

 

(2)共感するのステップでは、オリジナルのカードを使ったゲーム感覚を取り入れた「シンパシーワークショップ」を行います。生き物の目線で、人間の暮らしと環境の関わりについて気づくよう導きます。最後は子どもに考えてもらう場面を設定し、話し合いを通して自分達にできることを考えてもらいます。子ども達からは、「生きていけるのも、自然や生き物のおかげだと気づいた」といった感想が出てきます。

 

ここまで子ども達の意識の醸成を図っておき、その上で、次のステップ(3)、「エコアクション」に移ります。この講座は学校の先生を中心に進めています。葉っぱのない木に子ども達が考えたエコアクションを書いた葉っぱを貼っていき、数を競い合わせることで、アイデアを数多く提案してもらいます。

最終ステップ(4)が、「エコトークセッション」。子ども達が学習したことをメッセージとして保護者の方や地域の方々に発信する場です。子ども達は右図のようなエコ宣言を多くの人の前で発表します。達成感を味わってもらう工夫として、修了証書を授与します。

1年間のプログラムで、少々時間はかけていますが、このような4つのプロセスで進めることにより、子ども達に持続可能なエコアクションが身につくと信じて取り組んでいます。2006年に近隣の刈谷市、安城市において5校で始めましたが、いまでは12市町31校の小学校で毎年2000人を超える子ども達が受講しています。

 

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