大学におけるグローバル人材育成グッドプラクティス vol.3

世界で必要とされる技術人材を、学部から大学院までの一貫した教育で

豊橋技術科学大学(Toyohashi Tech: Toyohashi University of Technology)


豊橋技術科学大学では、80%以上の学生が修士課程まで進学しており、学部だけではなく大学院教育までの一貫した技術者育成を行っています。製造業を中心にグローバル化が進む中、世界のニーズに応じた研究開発ができる高度技術系人材の育成を目指し、産業界や海外大学との連携を進め、実務能力の向上に力を入れた取り組みを行っています。

 

豊橋技術科学大学の考える「グローバルに活躍できる研究開発人材」は、単に英語が堪能なだけではなく、専門知識を有し、他者とのコミュニケーションの中から、ニーズを汲み取り、研究開発に結びつけられる人材。そのために、
(1)技術科学の専門知識、
(2)高いコミュニケーション能力、
(3)プレゼンテーション能力の育成

を重視しています。実際このような能力が、企業においてより強く求められている能力なのです。

 

 

留学だけではなくキャンパス内のグローバル化を図る

 

留学生の派遣だけでなく、留学生の受け入れにも積極的で、キャンパス内のグローバル化を図っています。インドネシアやマレーシア、ベトナムなど、 20カ国以上の国々から約200名の留学生が学んでおり、全学生のおよそ10%が留学生となっています。

 

留学生のために、学内に国際交流会館を設置しており、入学後の生活を支援しています。夫婦や家族と来日する留学生も多く、国際交流会館には家族向けの部屋も用意しています。また、博士前期及び後期課程においては、英語での単位習得ができるよう、英語のみで修了できるコースを設けています。

 

 

海外大学との国際研修プログラムを実施

 

アジアの大学と研究交流や研究支援が盛んで、毎年十数名の学生が海外の学生と議論を行う国際研修プログラムを実施しています。議論は当然ながら英語。異文化交流で、広い視野を得ることにもつながっています。近年は、東北大学(中国)、マレーシア工科大学(マレーシア)、ホーチミン市工科大学(ベトナム)及びバンドン工科大学(インドネシア)との国際研修プログラムを実施しました。

 

 

実務能力の育成のために

 

高等専門学校からの3年次編入学生が在校生の約8割を占め、多くの学生が博士前期課程に進むことから、教育は博士前期課程2年次までを視野に入れたものとなっています。学部4年次になると、全員が実務訓練と呼ばれる企業等での長期実務実習を行っています。実務訓練は国内企業のみならず、海外の大学や研究所への派遣を行うこともあります。

 

本年度からは、マレーシア科学大学と連携して、マレーシアのペナンに拠点を設置し、海外実務訓練をより充実することを計画しています。実務訓練は大学院での研究を行う前に、自らの研究が社会とどのようにつながっているのか、また、どのような技術や研究が求められているのかを考える機会となる重要な実習です。

 

 

教職員や大学組織のグローバル化も図る

 

現在、外国籍の教員は6名( 2.97%)、海外での学位取得者は10名( 4.95%)ですが、今後は外国籍の教員、海外学位取得者の教員、外国人研究者の招聘を増やしていきたいと考えています。また、職員に対するグローバル化対応の研修も行っています。半年間の語学研修に加え、海外の大学で事務職員としてのインターンを半年間行うなど、教職員や大学組織のグローバル化への取り組みを積極的に推進しています。

 

基本情報

〇所在地 愛知県豊橋市

〇設立年 1976年10月

〇学部学科構成

 

課程

 

工学部

機械工学  

電気・電子情報工学

情報・知能工学

環境・生命工学

建築・都市システム学

 

〇数値で見る大学の特徴(2013年5月現在)



 
学生数

外国人教員比率 

英語科目

1講座当たり

受講者数

英語による

専門科目率

学部

1194

4.80% 37 1.2%

博士前期課程 

886

        4.80%

      -

6.5%

 

○留学データ
・外国人留学生在学状況(2013年5月1日現在)
http://www.tut.ac.jp/international/aboroad.html
29ヶ国の192名の留学生が在籍しています。

関連サイト

留学制度、留学生の受け入れ(国際交流センター)

http://www.cir.tut.ac.jp/

4年次の実務訓練
http://www.tut.ac.jp/university/training.html
海外大学との国際研修プログラム

http://www.tut.ac.jp/english/relations/programme/
 参加者の声
 大学生国際交流プログラム2012 建築・都市システム学課程3年 岡本大樹さん報告
(豊橋技術科学大学広報誌『天伯』「ぴっくあっぷ」コーナー掲載)
http://www.tut.ac.jp/tempaku/backnumber/201307/hs/mod/pickup/index.php#chap02

インドネシアのバンドン工科大学(ITB)の学生とともに (豊橋技術科学大学広報誌『天伯』「ぴっくあっぷ」より転載)
インドネシアのバンドン工科大学(ITB)の学生とともに (豊橋技術科学大学広報誌『天伯』「ぴっくあっぷ」より転載)

他大学と比較して<経済産業省調査より>

教育プログラムや学びの制度・環境整備に強み

 

経済産業省では、平成23 年度に国内約200大学を対象に、大学のグローバル人材育成に関する取り組みを、下記の3つの能力育成の観点で調査(「大学におけるグローバル人材育成に係る指標調査」)。
【要素Ⅰ】語学力・コミュニケーション力

【要素Ⅱ】主体性・積極性、チャレンジ精神・協調性・多様性、責任感・使命感
【要素Ⅲ】異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティ養成

 

この調査によると、豊橋技術科学大は要素Ⅰに関してプログラム指標、要素Ⅱに関して制度・環境指標が他大学と比べ高い値を示しました。

わくわくキャッチ!
社会人基礎力の育成の手引き
社会人基礎力の育成と評価

新着記事

「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」レポート

文部科学省と経済産業省では、「理工系人材育成戦略」を踏まえ、産学官の対話の場として「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」を設置しました(2015年5月~)。

留学経験が拓いた私のキャリア

吉岡利代氏(国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ)

中曽根康隆氏(国会議員秘書)

横山匡氏(アゴス・ジャパン代表取締役)

「社会人基礎力を育成する授業30選」実践事例集
◆社会人基礎力育成の効果的な取組のポイント
◆「授業30選」受賞大学事例
◆受講生のコメント  ほか