社会人基礎力を育成する授業30選

「学力・研究力の向上」という大学本来のミッションのもと、産業界研究者による指導を通じて社会で実力を発揮できる研究者を養成

大阪大学大学院/工学研究科 高度人材育成センター

インターンシップ・オン・キャンパス

1. 博士前期課程を対象に、産業界研究者を外部講師として招へいし、各学生の研究発表に対し、その社会的意義、価値などについて、コメント指導し、高度人材育成センター担当教員がこれを支援する。これを研究内容の発表にフィードバック・繰り返すことによりテーマを深く考察させ、プレゼン力の向上を図り、研究開発者としての社会での実力を養う。

2. 学部4年生を対象とし、上記と同様の趣旨と内容で実施する。

プログラムタイプ 実践型学習(企業連携) 実施している期間

平成19年4月〜
平成26年3月

実施規模

参加教員: 5名(参加研究室教員13名) 職員: 2名

受講学生: 70名 連携企業数: 4社7名

単位の授与

あり

授業時間数

1.5×15時間

(1限=1.5時間)

学生のプレゼンの機会

あり(4回)

評価の回数

自己評価の回数: 2回 他者評価の回数: 2回

当該プログラムの実施範囲

●研究室やゼミで実施

●3学科・学部全体で実施

対象プログラムの具体的な内容

本活動は、自分の研究テーマをベースとする講義を実施するものであり、産業界講師などからの指導コメントに基づき、自己の研究について深い考察を体験させ、指導コメントの結果を研究テーマ発表にフィードバックさせて修正改善させることにより、考え抜く力、および、発信力、傾聴力を養成する。また、次回講義まで発表資料の修正改善を科すことにより、各学生の研究活動に対する主体性/働きかけ力/実行力/課題発見力/計画力/創造力などの研究者としての能力向上を目指している。

 

講義においては、高度人材育成センター教員から社会人基礎力を含めた講義のガイダンス、産業界講師の自己紹介や各学生の自己紹介を実施している。また、各研究テーマ発表に対して、学生同士にもコメント、質問をさせることにより、前に踏み出す力、柔軟性、情況把握力、規律性、ストレスコントロール力の育成を目指している。

 

さらには、各講義において、プレゼンテーション講義、および産業カウンセラーによるコミュニケーション講義を必ず各1講義実施し、コミュニケーション力、リーダーシップ能力の涵養を目指している。

 

育成のための取組内容と育成のプロセス

「インターンシップ・オン・キャンパス」講義では、産官学で活躍する研究員や技術開発マネージャを外部講師に招き、学生が各自の卒業テーマや修士論文のテーマに関して、ロードマップ、ベンチマーク、研究計画書、テーマ戦略などを作成し、講師ならびに本授業担当者の前で発表させ、それを基に、主体性/働きかけ力/実行力/課題発見力/計画力/創造力を習得させることを目的に、多角的な視点より指導を行うものである。具体的には、4回のプログラム実践(実践講義)と、それだけでは習得できないプレゼンテーションスキル、コミュニケーションスキル向上に対する講義と共に、学生が研究活動を進める上で必要な力や社会で必要とされる力とは何かを知り、現在不足している力や本講義から習得した力について、具体的な行動事実から気づきがえられるよう、講義開始時と終了時に「社会人基礎力評価シート」を記入させ、外部講師、および本講義担当教官によるコメントをつけて返却している。

 

育成の評価

12の社会人基礎力それぞれについて、開始時と終了時に自己採点させ、その採点の具体的な事例や根拠を文章として記入させる。さらに、全講義終了時に【講義を通して学んだこと】を記入させ、これに対し、4回講義を通した外部講師の全体的なコメントと、担当教官のコメントをフィードバックしている。

効果的な育成・評価のための工夫

「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」等、社会で活躍するために必要だと思われる能力を育成する際の課題、育成の工夫点や成果

本プログラムでは、自己の研究内容について、日常研究室の指導担当教官が実施する教育指導とは異なった観点での指導を効果的に実施するため、外部講師に担当をお願いしているが、外部講師の要件として、指導を担当いただく学生の所属する研究室の研究分野を専門としておられ、学生に対する教育マインドをお持ちいただいている事が重要となる。また、研究内容そのものの指導ではないものの、研究内容の知財的観点から、研究室指導教官の承諾が必須であると言う課題がある。それゆえ、プログラムを実施できる研究室が限定されてしまうことになるが、現時点では、外部講師として、共同研究や受託研究で参加していただいている機関や、研究室指導教官の推薦、学会などでのネットワークを通じて、なるべく産官から講師をお願いするよう工夫している。

 

その他、当該プログラム独自に設定している能力項目を育成する際、その内容、課題、育成の工夫点や成果

講義の最終成果物として、研究発表の資料を作成させ、それを用いたプレゼンを実施するが、この資料作成に対する考え方を指導するため、研究内容の整理のための各種担当:特任教授帳票を利用している。講師によって様々な帳票が使われるが、“ニーズ”“競争力”“実現可能性”などと言った、産業界で要求される基本的な項目なども盛り込んだものの使用をお願いしている。

 

教育の効果を適切に評価・検証し、さらなる成長を促すための工夫

プログラムの開始時に、社会人基礎力についてのガイダンスを行い、各項目に対する概要を理解させた後、インターンシップ・オン・キャンパス評価シート1にて、各項目の自己採点を、その採点理由とともに記入させ、同シートに終了時の自己採点を記入させ、開始時と比較させることにより、自己の成長を自己確認させている。また自己採点をより深く理解させるよう、同シートに外部講師、および講義担当教官の事後コメントを記入している。

 

「インターンシップ・オン・キャンパス」の一環として通常形式の講義も実施しており、社会人基礎力評価シート2を記入させているが、この場合は講師との個別指導がないことを考慮し、「インターンシップ・オン・キャンパス」で外部講師からいただいたコメントを各基礎力に66項目として分類して具体的に自己評価できるシートとしている。

 

 

担当:特任教授 瀬恒 謙太郎

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