社会人基礎力を育成する授業30選

初年次からゼミ形式を取り入れ、組織での活動を通じて社会人基礎力を学科全体で育成

産業能率大学/経営学部現代ビジネス学科

基礎ゼミI、基礎ゼミII

1年生を対象に、ゼミ形式で社会人基礎力修得を目的にグループワークを中心の学習を進め、さらに大学行事への参加や企業との連携など、早い段階から組織行事参加の重要性と協調性を教授し、後期は大学祭での研究成果発表を行い、プレゼン能力育成を行う。また、社会人必須となる数的基礎力の強化をeラーニングで継続し行うほか、同大学総合研究所が社会人向けに開発した教育ソフトの導入など、独自の学習プログラムを導入している。

プログラムタイプ 実践型学習(企業連携) 単位の授与

あり

実施している期間

平成25年4月〜平成26年3月

実施規模

参加教員: 20名 TA: 20名 受講学生: 500名 連携企業数: 2社

授業時間数 30時間 学生のプレゼンの機会

あり(10回)

評価の回数

自己評価の回数: 10回 他者評価の回数: 10回

当該プログラムの実施範囲 ●学科・学部全体で実施

対象プログラムの具体的な内容

アクションラーニングとしてグループワークを通して、「前に踏み出す力」として主体性、組織への働きかけ力、実行力、また「考え抜く力」として課題発見力、計画力、創造力、「チームで働く力」として発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力の修得を目標としている。また、ゼミ形式にしていることにより、「チームで働く力」として規律性、ストレスコントロール力を体得してもらいたいと考えている。

 

さらに、グローバルに活躍するための能力として、「自分自身の軸を持つこと」、「共感をいつも意識すること」そして、「精神を鍛えること」を特に重視しており、基礎ゼミの各テーマを通じて、これらの能力が自ずから身に付くように授業設計をしている。そしてスキル面では、「共感を生み出すコミュニケーション能力をつける」ことを重点的に、日本人としての規律性や誠実さを活かしながら、グローバルにコミュケーションできる人材を育成できるように取り組んでいる。

 

育成のための取組内容と育成のプロセス

ゼミ形式(30名)でクラスを組成し、期初に各自学習に関する目標を立てた上で、ゼミ指導教員が期中、目標との中間チェックを個別面談しながら、年間30回の授業を進めている。授業ではグループワーク中心に、学内行事への組織内での役割分担を決めての主体的な参加や企業経営を題材としたケース(現代ビジネス学科)や企業((株)コーセー)とタイアップした販売促進戦略策定など(マーケティング学科)を企画調査、両学科とも最後にプレゼンを行い、現代ビジネス学科では教員、TA、学生が相互に、マーケティング学科では提携企業が評価を行い、その結果を振り返り、知識の定着化を図っている。なお、現代ビジネス学科ではタイアップした本学総合研究所の社会人向け能力開発教材(コミュニケーション力、コラボレーション力など)も授業で取り入れ、早い段階での社会人に向けての能力開発を行っている。

 

なお、育成のプロセスについては以下のとおりである。学生の目標設定(期初)→指導教員による面談(目標の進捗チェックと指導)→キャリアプランシートの作成→ゼミでの学習成果の振り返り(毎回)→15回目に振り返り(レポートでの提出)→指導教員がチェックおよびコメントした上で返却(→必要に応じ、および学生から希望があった場合には、随時面談を実施)。

 

育成の評価

・評価者は、基礎ゼミを担当する各指導教員(両学科で20名)が行う。

 

・評価基準については、教材を統一化した上で、毎回(15回×前期・後期)毎に指導マニュアルを作成し、事前に担当指導教員全員参加のミーティングを行うなどし、指導内容の統一化を図った上で、明確な評価基準を共有し評価している。

 

・活用ツールは、基礎ゼミ主務者が作成した指導マニュアルと共通教材である。

効果的な育成・評価のための工夫

「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」等、社会で活躍するために必要だと思われる能力を育成する際の課題、育成の工夫点や成果

現代ビジネス学科では前期には本学全体の行事である「Sannoスペシャルデー」への全員参加をとおして、役割を一人一役決めて組織で主体的に行動することの大切さや組織への貢献(「前に踏み出す力」)、グループを作り役割をこなすことによる組織への貢献を自ずと経験させている。マーケティング学科では、企業とのタイアップによる販売促進策提案を、役割も決めて、組織で一体化して進めることで主体的な取り組み、考え抜くことの大切さ(「考え抜く力」)、チームで働くとことの大切さ(「チームで働く力」)やその中での一人ひとりの個の重要性を学んでいる。

 

具体的には、実際に社会で活躍するために、より実践に近い形を疑似体験させることをゼミ形式の授業の中に取り入れている。

 

・キャンパスのある自由が丘で学ぶ大学として、地域へのマナーを考える「キャンパスマナー気づきノート」を毎週各自提出させている(両学科)。

 

・前期には、本学全体の行事である「Sannoスペシャルデー」(5月、本学がスポンサードするJリーグ「湘南ベルマーレ」公式戦への応援を行う行事)の参加を通して、ゼミ生全員が一人一役を決めて、組織で行動し、一体感を醸成することの大切さや参加にあたり様々な準備を経験することで主体性や協調性など、社会人基礎力を養成することを目的としている(両学科)。

 

・後期には、現代ビジネス学科では学生が主体的に経営学に絡めたテーマを自由に研究(例「学食をつかった地域への貢献」)、またマーケティン学科では(株)コーセーとタイアップし販売促進戦略策定の成果を、11月の学園祭をアウトプットの場として全ゼミ生、来場者に向けてコンテスト形式でプレゼンテーションさせている。

産業能率イメージ

その他、当該プログラム独自に設定している能力項目を育成する際、その内容、課題、育成の工夫点や成果

・現代ビジネス学科ではタイアップした本学総合研究所の社会人向け能力開発教材(「イメージ交換ゲーム」「コミュニケーションゲーム」→コミュニケーション力、「コラボレーションゲーム」→傾聴力、協調性などの社会人基礎力の育成も授業で取り入れ、早い段階からの社会人に向けての能力開発を行うなど、グループに総合研究所を持つ本学独自の産学連携の教育を取り入れている。

 

・TAに前期のゼミには2年生、後期のゼミには就活の終了した4年生を配置している。前期の2年生にはゼミ内での授業サポート(グループワークや馴染めない学生のフォローなど)に加え、1年前の自分の経験から学業面や生活面でピアサポートに近い形で面倒を見てもらうほか、後期には4年生を充てて、もう少し広い視野に立ったアドバイス(2、3年次の学生生活の様子や就活に関してなど)をさせている。

 

・1年生は将来の就活に対して漠然とした不安を抱えており、これを解消するために4年次後期の「就業力プログラム」(就業に向けた準備のための講座)と連携し、複数の4年生に基礎ゼミに来てもらい、グループディスカッション形式で就活について語ってもらい、就活に向けて必要とされる能力やスキルについて指導を行っている(4年生も基礎ゼミをサポートすることにより、上記科目の単位取得のポイントが取得できるメリットがあるほか、就活の総括をすることで就活を通して自分を振り返ることができ、社会人に向けての準備ができる)。

 

教育の効果を適切に評価・検証し、さらなる成長を促すための工夫

基礎ゼミでは、各テーマを設けて主に2~4週にわたり、グループワーク→プレゼン発表→評価→振り返り(課題レポート)というプロセスで進めており、前後期それぞれ5回程度の振り返り(「振り返りシート」の作成提出、採点対象)とそれに関するレポート課題(字数指定、採点対象)、それらを指導教員が評価者としてすべてに目を通し、コメントを付し、採点をした上で次回の基礎ゼミにおいて返却(フィードバック)し、そのレポートの講評や気づいた点と、評価基準(各テーマに対して、レポートとしての定められた形式を踏まえているか、自分の言葉で説明できているかなど)、を明確に伝え指導している。

 

また、それらフィードバック情報を伝えた上で、評価の高かったレポートに関して紹介し、評価基準との整合性の確認を行っている。

 

 

担当:准教授 倉田 洋

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