(1)マネジメントの基礎・専門理論と関連知識を学び事例研究を行う。
(2)年間50のプロジェクト活動(学内活性化、地域貢献、産学公連携事業等)に「PJチーム編成」で取組み、自らが問題の発見と設定を行い問題解決策を考え提示し行動する。
(3)ゼミ生全員(50名)参画型とし、リーダー&フォロアーの役割を全員が経験する。
プログラムタイプ |
実践型学習(企業連携)、通常授業、その他(*授業(理論)と実践の並行運営) |
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単位の授与 | あり | 実施している期間 |
平成20年4月〜 通年授業として継続中 |
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実施規模 |
受講学生: 50名(*2・3・4年を含む)、連携企業数: 3社 |
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授業時間数 |
正規授業: 45時間(通年30回×1.5h)・サブゼミ(2h×30回)&年間PJ活動 |
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学生のプレゼンの機会 |
あり(多数)<学内外にて随時実施> |
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評価の回数 |
自己評価の回数: 定期3回&随時実施 他者評価の回数: 随時PJ終了時実施 |
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当該プログラムの実施範囲 |
●単一の授業のみで実施 ●研究室やゼミで実施 ●学科・学部全体で実施 |
育成のための取組内容と育成のプロセス
(1)取組内容と育成のプロセス
1. ゼミ授業ではマネジメントの教材講読と事例研究を行い、実践で求められる理論を習得する。
2. 年間50のプロジェクトを「実践の場」として取組み、全員参加のPJチーム編成で「マネジメントの実践」と「プロジェクトマネジメントの習得」を実行する。
3. PJチームでは、個人の役割分担を随時実行し「リーダーシップ」と「フォロアーシップ」を経験し、幅広いマネジメント力を体得する。
4. PJでは、地域振興、地域活性化、町づくりと「産学公連携事業」に取組み、地域社会の大人の人達との付き合いを通して、社会の仕組みと人脈ネットワークを構築する。
(2)学生の目標設定と意識つくり、活動形態
1. プロジェクト活動は、ゼミメンバー内での話し合い、個人の希望、教員の判断等で決定する。各PJは5~8名のチーム編成で取組み、全員が役職と役割分担を担う。
2. マネジメントサイクル(PLAN-DO-CHECK-ACTION)にて行動を開始し、チームメンバーの役割とタスク(業務)の明確化、工程管理(タイムスケジュール)を共有する。
3. 学生の意識づけとチーム運営の要諦は「コンセプトの共有化」と「当事者意識」である。
4. 産学公連携事業では、定例的な「連携プロジェクト会議」と「メーリングリスト」がフル稼働される。
5. 目標設定では、「定性的目標」と「定量的目標」の両面での設定がなされる。
6. 学生には主体的な行動力を求め、状況把握と発信力から周囲を巻き込み結果を出すことを期待する(世の中で通用し、結果を出せる人材を求める)。
育成の評価
(1)育成の評価
1. 履修科目としてのゼミ授業(通年)は、秋学期終了時に、担当教員が評点評価実施する。<A・B・C<合格>/D・E(不合格>
2. 個人及びチームの評価は・・・
(ア)1つは結果・成果に対する関係者(地域・外部企業・連携パートナー等)の評価がある。
(イ)2つ目の評価は、チーム自体の評価でメンバー全員による「報告会と、振り返りを通した反省会」での課題が評価となる。
(ウ)3つ目の評価はメンバー個々の評価である。
ここでは、「PJ開始時の自己評価グレード」と「PJ終了時の自己評価グレード」の対比による成長度評価である。
3. 特に、個人評価は「社会人基礎力の3つ能力と12の能力要素」を評価要素と捉え、評価基準を<1:定義の理解、行動とも出来ていない><2:定義の理解は出来ているが、行動が出来ていない><3:定義の理解、行動とも普通><4:定義理解・行動共に十分である><5:定義の深い理解と、積極的な行動が出来る>設定している。
(2)「12の能力要素の定義」づけ評価
1. 毎年、夏合宿において、学年毎(2、3、4年)に言葉の理解と独自の定義を考えた上で、全学年での意見交換を通じて、「社会人基礎力」の理解を更に深め、今後の課題を明確にする。
2. PJ活動の経験件数の少ない2年生と3年生、4年生との理解・認識の深さの違いから、周囲を巻き込んでいく力を始め「社会人基礎力」全般のレベルアップと成長を評価できる。
「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」等、社会で活躍するために必要だと思われる能力を育成する際の課題、育成の工夫点や成果
(1)社会で活躍するために必要な能力育成の課題と工夫
1.「マネジメントの定義」を明確にして、全員で共有化し、マネジメントを学ぶ意義を理解する。<マネジメントとは、社会や身近にある問題や課題について、解決策と方向性を提示し、具体的に行動すること>
2. 企業・社会のニーズと求められている人材像から「社会人基礎力」の必要性を理解し、自己の課題と目標を明確に設定する。
3. 企業・社会では結果が求められる。結果を出すには、教室で学ぶ「理論」(保有能力)を仕事、業務、プロジェクト活動等の「実践の場」を通して「発揮能力」に昇華させることが不可欠で、アクション・シンキング・チームワークの育成を徹底する。
4. 実践の場として「年間50のプロジェクト活動」に取組み、全員参画型、役割分担型にて年間通して、繰り返し繰り返し「社会人基礎力」をスパイラル的に磨く機会とする。
5. 自己成長と共に、地域振興・地域活性化、産学公連携事業への取組みは「地元貢献、社会貢献」に通じ、外部(人、報道、表彰、リピート等)からの率直な評価がやりがいとモチベーションになっている。
(2)具体的な工夫
1.「コンセプトの共有化」を徹底的に図り、あとは学生チームの『主体的な自主運営に任せる。ここでの指示は「納期厳守」(可視化された成果を出すこと)だけである。
2. 産学公連携事業での、地元商店街・企業人・社会人等との積極的な協働ワークを促進し、社会の仕組みと人間関係、コミュニケーション力を学ぶ。ここでは会議、メーリス、ブログ、ツイッター、フェースブック等を活用・駆使する。
3.プロジェクトを3分類(A群:学外大型PJ/B群:学内外中型PJ/C群:学部内・ゼミ内PJ)の場と仕組みを作り、個々の学生の能力・経験・意欲に応じて、A/B/Cの担当分けを行い、成功体験を積ませながらステップアップしていく。
(3)「目標」の定性と定量
1.「定性的目標」は、地域活動の活気、イベント祭りの盛り上がり、雰囲気つくり等があり、「定量的目標」は、数字が伴う、売上高、来場者数、大会入賞等があるが、いずれも、準備段階を含めて「社会人基礎力」が必要である。
2.「効果」の定性と定量について、PJの成果と学生の成長は、基本的には関わった関係者(ステークホルダー)に評価して頂くことである。PJが終わって「また一緒にやろう。次もよろしく」と言う言葉が最高の評価である。学生自身の効果は、PJの経験数に応じて、リーダーシップと総合的なマネジメント力が身に付いてきていると評価する。
その他、当該プログラム独自に設定している能力項目を育成する際、その内容、課題、育成の工夫点や成果
(1)能力項目育成の内容・課題・工夫
1. 社会人基礎力育成の原点は、企業内での『あんじょうやっといてや(ちゃんとやっておいてね)と、そこんとこなとかならへんのか』という周囲の期待に応えることである。要は言い訳をしないで結果を出すことが求められている。従って「結果を出すためには、社会人基礎力の能力要素を磨くこと」と「意識向上と環境整備」が重要である。
2.「なめるな。にげるな。あきらめるな」の精神は学生の思考・行動様式の基本である。
教育の効果を適切に評価・検証し、さらなる成長を促すための工夫
(1)教育効果の適切な評価と検証
1.プロジェクト活動の中で、(ア)自分の立場と役割(イ)担当したタスクと業務内容(ウ)発揮した能力とスキル・経験等(エ)体得した新しい能力・スキルと人脈(オ)再確認した自己の強みと長所/弱みと短所(カ)自己適性の役割と分野を『PJ振り返りシート』で分析、自己評価して、『自己分析・自己理解シート』に落とし込む。これは就職活動での履歴書、エントリーシートの基礎データーとなる。
(2)評価の時期と評価手順
1.教員の評価:(ア)ゼミ授業評価は年1回、秋学期終了時に評点評価する、(A/B/C(合格):以下不合格D/E)(イ)ゼミ担当アドバイザー教員として、年3回公式個人面談実施(ウ)随時個人面談実施(5~6回)
2.学生自身の評価:(ア)PJ開始時の自己評価と終了時の自己評価:<評価グレード1~5>(イ)PJ終了後のチーム反省会実施にてメンバーからの評価(ウ)夏合宿での「社会人基礎力の定義」検討会議と自己評価の実施。
3.連携先・企業関係者の評価:PJの中間、終了時の報告会・反省会での評価実施。
(3)フィードバック
基本的には、全体に対して、個人に対して、書面、口頭にてオープンに逐次伝える。
担当:教授 芝原 脩次